"自分探しの旅に出るとか言っちゃうひとは好きじゃない"
って誰かがTVで言っていたっけ。
目的のない人の言い訳的なことだって。
言葉は本当にナイフだ。
何気ない一言にも傷つくことがある。
私もどちらかと言うと好みがはっきりしているので
若いときは「好きじゃない」「嫌い」って平気で言っていた。
今も知らずしらずきっと口にしている。
でも最近「前はあんまり好きじゃなかったんだけど…」ってことが増えている。
好みがぼやけてきているのか、幅が広がっているのか、
年を重ねて良かったと思えることのひとつであるような気もする。
旅という響きはいつでもとても魅力的だ。
一人旅と言えばなおさら。
何か新しいことに出合えそうな予感。よくわかる。
私もそんな一人だった。
過去形なのが淋しいのは、出かけることが少し面倒くさくなっているからだ。
年を重ねて悲しくなる一番のことだ。
一人、旅に出る。
ワクワクして。ちょっぴりの不安を胸に出かける。
結果、何もない毎日と、ときどきすごく嫌なことと、ホームシック。
でもそれを知ることも、とても大切なことだと思う。
そんな経験は無駄じゃない。
だから、自分探しの旅に出たいなら、出かけた方がいい。
もしかすると、涙がとまらないような感動に出合うことだってあるかもしれない。
何かを見つけることだってあるし、
何ひとつ見つけられないことだってあるけれど。
何も起こらないから何もしないと諦めてしまうのは
もったいない気がする。
今、これは自分に言っているのだ。
テレビの知らない誰かの言葉に傷つく必要などないのだ。
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